「上場で必ず儲かる」未公開株があなたのところに来るはずがない

未公開株とは、証券取引所に上場していない株のこと。
こうした未公開株が将来、上場された場合、株価が公募・売出価格の数倍になるケースもあることから、株取引の経験がある人もない人も、上場間近の未公開株が手に入ると聞いて、つい「うまい話」に乗っかってしまい、莫大な損を被る被害者が出ています。

「上場すれば、必ず儲かりますよ」というセールストークに乗せられて未公開株を購入し、その後トラブルになるケースが増加しています。

全国の未公開株に関する相談は、2003年度には158件に過ぎなかったのが、2006年度は4000件と年々増加しました。

被害が報道されたり、各機関から注意が呼びかけられたりしたこともあり、2007年度には減少しましたが、2008年度に入って再び増加し始めています。
契約(勧誘された)当事者は、60歳以上が65%を占め、平均年齢は62歳と、高齢者に多い消費者トラブルです。

こうした未公開株を売る業者は、多くは証券会社ではなく、個人または組織的な悪質業者です。
勧誘文句は非常にたくみで、「上場間近」「値上がり確実」「発行会社との強いコネがあり入手できる」「あなただけに特別に譲渡します」などの甘い言葉で勧誘してきます。
「いつ上場するのか?」と聞くと、「上場の日にちが決まっていないから買い時なんです、決まったら暴落しますよ」などと返され、用心深い人が騙されてしまったケースもあります。

未公開株は上場しなければ紙切れと同じ

「絶対儲かる」「今までに失敗した人はいない」「あなたもこれで財産を増やすチャンスです」・・・・よくよく考えれば、そんな濡れ手で粟のような儲け話があるとするならば、それがなぜ、あなたのところにくるのでしょうか。

未公開株というと、過去にNTT株やリクルートコスモスが上場したときの話を思い出す人もいるでしょう。
また、日経平均株価上昇傾向にあった数年前に株式上場の初値が公募・売出価格を大きく上回ったケースが続いたこをと思い出して、「もしや・・・」と思う人もいるかもしれません。
しかし、本当に上場間近の未公開株の話が来るのは、その会社が有力株主として株を所有してほしいと思うほんの一握りの人たち(法人)だけと考えていいでしょう。
一般の人たちにそんな話がくるはずないのです。

ですから、「未公開株購入の解約を申し出たが、返金を延ばされた上、8割の返金でどうかと言われた」「未公開株を購入したが、上場予定時期を過ぎても上場しない」「未公開株を購入したが、仲介業者と連絡が取れない」などのトラブルが起きているのです。

未公開株は、上場されなければ紙切れ同然です。
未公開株は、グリーンシート銘柄以外は一般に売買できる市場がないので売ることもできませんし、持っていても譲渡制限が設けられているものがほとんど。
その会社の取締役会の承認がなければ名義変更ができず、株主として認められないこともあるのです。

相談事例の中には、虚偽の説明による勧誘を受けたなど、詐欺的なケースも目立っています。

事例①

突然知らない業者が自宅を訪問してきた。
「近く上場する、かならず儲かります」と勧誘されて、A社の未公開株1株(50万円)を購入した。
年金暮らしで貯金もないので、生命保険を担保に借金して50万円を支払った。
株券を見せられた後、「名義変更するから」と言われ、業者に預けた形になっている。
預り証はもらっていない。
その後、発行会社には上場予定がないことがわかった。
返金してほしい。

このケースでは、上場予定がない企業の株を、借金までさせて購入させています。
また名義変更すると言って株券を持ち去っているなど、かなり悪質な詐欺的行為といえるでしょう。

本当に上場しても、損をすることもある

また、購入した未公開株の発行会社が本当に上場しても、「必ず儲かる」(その株価が購入価格より上がる)というわけではありません。

事例②

電話で「未上場の株が上場したらかならず儲かる」と言われ、契約した。
しかし、実際に上場したら勧誘時のよりはるかに低い。
電話では儲かることばかり話され、リスクの説明は受けていない。
株の価格が変動することは認識していたが、説明と全く違う。
差額を返金してもらえないかと業者に手紙を出したが、応じられないと言われた。

こちらは、未公開株の譲渡価格の設定自体が不審です。
また、リスクの説明をしていない点についても、問題があります。

そもそも未公開株を売ることができるのは、その未公開株の発行会社と、証券業の登録をしている正規の証券会社だけと法律で決まっています。

また、日本証券業協会では、非上場会社の株式を売買するために、一定の条件をクリアした企業の未公開株をグリーンシート市場(1997年から同協会がスタートさせた制度)で扱っています。
そして、証券会社でもグリーンシート銘柄以外の未公開株の勧誘は原則として禁止されています。

被害にあったという人の多くは、こうした法律や業界ルールに違反している業者から購入していることが多いようです。

事例③

昨日、母(70代)が来訪した業者に「近々上場予定の未公開株を限定販売している。絶対に儲かる」と勧められ、2株100万円の契約をし50万円を支払った。
明日残りの50万円を業者と銀行に同行して支払い、株券を受け取ることになっている。
本人は投資の仕組みも理解していないようだ。
解約させたいがどうしたらいいか。

このような相談を受け、弁護士の指示の下、詐欺被害相談窓口で確認調査を行ったところ、その業者は証券業の登録をしていないことが判明しました。
証券業の登録をしていない業者の多くは、説明や返金を求められると、証券業として売買したのではなく個人的な売買(相対取引)を行ったと言い逃れしてきます。
当事者間で売買方法、取引価格、取引量を決めて、購入した人も納得して買っている、と言うのです。

さらに、いったん代金を支払った後に解約をしようとしても、連絡がつかなくなってしまう業者も少なくありません。
一度お金を払ってしまったら、あとになって代金を取り返すことは、弁護士を入れない限り至難の業となります。

未公開株に関するトラブルを防ぐには、まず安易に勧誘には応じず、きっぱりと断ることです。
「本当にそんな儲かる話しだったら、電話やダイレクトメールで見ず知らずの他人からもたらされるはずはない」ということを、今一度肝に銘じたいものです。

もし契約してしまった場合でもあきらめず、詐欺被害相談窓口に相談、アドバイスを受けるようにしてください。

これだけは忘れずに
  • 甘い勧誘文句による未公開株のトラブルが再び急増中。
  • そもそも、営業として未公開株の販売をすることができるのは、登録した証券会社のみ。「個人間の相対取引だから大丈夫」などと言い逃れようとするケースもあるので注意。
  • うまい儲け話を勧誘に来るはずはないと考え、きっぱり断る。

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