商品の購入だけで、仕事は来ない「内職商法」

ただ仕事をしようと思っただけなのに、大きな損害を被ってしまうのが「内職(サイドビジネス)商法」です。
「サイドビジネスになる」「脱サラできる」などのセールストークで高額な教材や仕事道具を購入させますが、結局は仕事につながりません。

「1日2時間の作業で、月5〜6万円稼げます」などと、誰でも簡単に稼げるかのような宣伝文句で勧誘する「内職(サイドビジネス)商法」。
業者の目的は、「仕事がほしい」と思っている人にあれこれ名目をつけて高額なお金を払わせることです。

「内職商法」で募集する仕事の内容は、宛名書きやテープ起こし、パソコンを使った作業、商品のモニター、アニメのセル画彩色などさまざま。
内職といっても自宅でするものとは限らず、チラシ配布や荷物の配送などもあります。

また、「内職」「副業」などと古めかしい言葉でなく、「在宅ワーク」「在宅スタッフ」「サイドビジネス」といった、なんとなく新しく、気軽でオシャレな表現を使ったりもしています。

しかしそこには連絡しても、お金になる仕事はほとんど舞い込みません。
それどころか、仕事をするための登録料やスキルを身につけるための教材、仕事に使う材料や道具などと、あれこれとも金を要求されるようになります。
それでも仕事につながるならと教材などを購入し、勉強しても、いつまでたっても仕事にはつながらない。
そこで多くの人は、だまされたと気づくのです。

在宅ワークを始めるのに、教材50万円

事例①

携帯電話に電話がかかり、「在宅ワークに興味ありませんか?」と言われた。
「あります」と答えると、業務の内容や報酬について説明された。

「在宅ワークは旅行業の国家資格試験を受ける人たちのテストの添削業務で、4択問題の丸付けと模範解答作成の仕事なのですが、できますか?」「丸付けの仕事は模範解答を見ながらできるので、誰にでもできます。今、170人の方にこの仕事をしてもらっていますが、60、70代のおじいちゃんやおばあちゃんもやっています」「添削業務は一人100セットで1か月10万円が限度ですが、あなたができるセット数にあわせてほしい数を申し出ると、そのセット数を提供します。だいたい月に平均7万〜8万円の収入になります」などと言われた。

次に、業務に従事するためには、旅行業の国家資格試験に合格する必要がある旨を告げられた。
この試験について「あなたの担当者の指示どおりに勉強し、わからないことがあったら電話で質問してください。また、国家試験は担当者が事前に出題されるところを教えるので不安はありません。運転免許が取れる人なら誰でも合格できます。ほとんどの人は落ちません。誰でも受かります。落ちた人でも翌年の国家試験には必ず合格しています。あなたは試験までまだ1年あるので、今から1日30分くらい勉強すると受かります」と言われた。

また、その業者が実施する模擬試験や国家試験を対象とする補助金が支給される制度があることなど説明された。

この説明の間、費用はかからないと言っていたが、「実はごめんなさいなんだけど、国家試験の勉強をするには当社のテキストを買ってもらわなければならないのです」「テキスト8冊とDVD9巻、テキストにはチェックテストが入っています。金額は消費税込みで54万円です」「当社のテキストで勉強すれば必ず合格しますし、落ちた人はいません」などと言われた。

これに対し「そんなお金は払えません」と告げたところ、「クレジットを組んでも在宅ワークの収入ですぐに取り戻せます。月2万円くらいで36回払いですが、毎月7〜8万円の収入があるので、補助金を利用して支払った残りのテキスト代を一括で支払うことも可能です」と言われた。

業者は、あなたに教材を買わせるのが本当の目的

この事例でもそうですが、内職商法はその7割以上電話による勧誘が行われています。
メールや新聞の折り込み広告をおこなうこともありますが、その場合でも資料を請求すると、たいていは業者から折り返し電話がかかってきます。
業者は仕事内容に興味を持ち、連絡してきた人と直接会話をしながら、いかにその仕事が簡単に稼げるものであるかを、たくみなセールストークを織り交ぜながら説得しようとするわけです。

この事例では、まず、在宅ワークの勧誘を装い、教材の販売であることを最初に告げていませんでした。
これだけで違法行為なのですが、その上、この教材の国家試験である「総合旅行業務取扱管理者試験」について、実際には合格率14%の難しい試験なのに、「運転免許が取れる人なら誰でも合格できます」「落ちた人でも翌年の国家試験には必ず合格しています」などと虚偽の説明をしています。
この業者と契約した消費者のうち、この試験に合格したのはごく一部でした。

そして、費用はかからないと言って勧誘しておきながら、最後の最後に教材費がかかると切り出します。
そこで「払えません」と断っても、「クレジットを組んでも在宅ワークの収入ですぐ取り戻せます」と食い下がり、「起業するには開業資金がかかるのは当然。在宅ワークで成功している人は、みんな元手をかけていますよ」などと執拗に勧誘します。
一度断って電話を切っても、何度も何度も「契約します」と言うまで、勧誘の電話をかけてくるのです。

時代に合わせて内職の内容が変わる

その昔は、コオロギなどの虫を自宅で養殖して販売する内職が流行ったことがあります。
またバブル期には海外ブランドの買い付けに行くだけで、お小遣いが稼げるといった、内職(サイドビジネス)がらみの悪徳商法がありました。
内職商法の仕事はその時代にあわせて次々と新しいものが生まれていますから、慎重に見極めることが大切です。

ここ数年は、パソコンの普及にともない、「パソコン内職」に関する相談も寄せられています。
次の事例のように、自宅でパソコンを使ってホームページ作成やデータ入力、アフェリエイトなどして、お小遣いを稼がないかと勧誘し、教材やソフトなどを売りつけるものです。

事例②

業者から「在宅でパソコンの仕事をしないか。簡単な試験に合格すれば仕事を提供する」と電話があった。
「教材のCD−ROM(約65万円)を見ればホームページが作成できるので、試験には必ず合格する」と説明された。
いったんは断ったが、後日「人数が限られているので、早くしないと仕事ができない。みなさんご主人には内緒でやっている。毎月最低2万〜3万円、多い人は10万円以上稼いでいる。クレジットの返済もそのなかから払える」と再度電話があり契約した。

試験は別の業者が運営しており、最初の試験は合格したが、ホームページ作成の試験は10回以上受けても合格できなかった。
教材にはホームページ作成方法の記載はなく、自分で市販の本を買って勉強した。
試験に合格できず、仕事ももらえない。
だまされたと思うので解約したい。

この事例のように「試験には必ず合格する」と言いながら、ほとんどの人が受からないような試験を課しているケースもあります。

膨大な量のデータ入力を課したり、業者に販売されたテキストには載っていない専門知識が必要な「社内認定資格」を受けさせたりするケースもありました。
試験に合格させないのは、業者が仕事をまわさなくてもとがめられないようにするための口実づくりと思われます。

なかには、エッチングデザインの内職で「4週間で7万3500円くらいの収入になります」「月7万円は堅いです」「図画は1枚当たり最低でも500円、ものによっては1000円になるので、やればやるだけもらえるんです。だから月に20万円以上もいけますよ」などの説明はすべてウソで、今までに1件の内職すらあっせんしたことのない業者もありました。

チラシ配りをするのに、代理店契約料が50万円

昔からある内職にも、悪徳なものが紛れ込んでいるので注意してください。
「チラシ配り内職」「ポスティング」では次のような事例があります。

事例③

自分が配布したチラシを見た人が、チラシに掲載された商品を購入すると手数料が入るという仕組みの代理店契約を2年前に結んだ。
これまでに40万円支払ったが、一度も注文が来ないなて収入がないので解約したい

通常のチラシ配りは、業者からチラシを支給され、配った件数に応じて(あるいは時間給で)お金が支払われます。
ところが事例③では、まずは契約料を支払って業者と代理店契約を結んでいます。
そして代理店の識別番号を記載したチラシを配り、そのチラシを元に商品が売れたら手数料収入が入る、商品が売れなければ報酬はもらえないという仕組み(成功報酬)でした。

最大の問題は、実際に商品を買った人が何人いるのかといった情報を自分で知ることができない点です。
チラシに識別番号を記載しているといいますが、業者がこの識別番号が入った注文をきちんと記録しているかは疑問です。

似たような手口に「宛名書き」があります。
仕事内容は、通信販売用のダイレクトメールなどに宛名を記入して投函するという内容の内職です。

まず業者に登録料を払い、ハガキなどのダイレクトメール・セットを自己負担で購入させられ、しかも送付先も電話帳を見て自分で選ばなくてはならないのです。
出費も労力も並大抵ではありません。
それでいて最終的に報酬が手に入るのは、ダイレクトメールを受け取った人が実際に商品を購入した場合のみ、という実に気の遠くなる話です。

数十万円もの契約料が目当ての商法と言わざるを得ません。

配送ビジネスのはずが、特注の車まで買わされる

内職(サイドビジネス)商法のうちでも、とくに被害額が大きいのは次の事例のような「配送内職」です。

事例④

ある業者と荷物の配送を委託契約し、そこが指定した自動車を購入した。
契約の際には、仕事を紹介してくれ、月収20万円以上を保証するといわれたが、紹介された仕事をしても諸経費と会社への手数料を差し引くと手元にはほとんど残らない。
自動車を引き取って、ローンを解約してほしい。

配送内職の場合は、配送に使う車を購入させられることも多く、支払い金額が数百万円にのぼった例もあります。
しかも、その車は会社のロゴマークを入れたり、改装を施したりするため、購入金額が通常の車より高額です。

車を買わされても元がとれるだけの収入があればまだマシですが、そうしたことはまずないと考えてよいでしょう。

仕事の件数は極端に少なく、あったとしても道もわからない地域から地域へと遠距離を移動させられ、報酬はごくわずか、ガソリン代も自分持ち、結局その仕事は長続きせず、高額な車のローンだけが残ってしまうことになります。

「仕事をするためにお金がかかる」とわかった時点で断ろう

内職(サイドビジネス)商法への対象方法は、とてもシンプルです。
仕事の紹介をうたっているのに、仕事を勧めるにあたり、何らかの名目でその業者から高額な費用を請求されたら、要注意です。
契約を結んではいけません。

万が一、契約してしまったら、すぐに相談してください。
仕事の提供を口実に商品を買わせる取引は「業務提携誘引販売取引」として特定証取引法で規制されているものです。

きちんとした書面を受け取ってから20日以内であれば、クーリング・オフすることができます。

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