男女間の金銭トラブル

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交際中にお金でもめることは少なくありません。
お金を借りるまではみないい顔をするもので、まして「結婚が前提の交際」となると、信用していただけに、金銭トラブルになってしまったときは大きなショックです。

男女間の金銭トラブルになるケース
  1. 付き合っている彼に「いずれ結婚するんだから」と借金を申し込まれた。

  2. すぐにお金が必要だと言われ「(あなた)名義で」お金を借りてほしいとお願いされた。

  3. ネットで知り合った男性と交際を始めて、信頼できると思ってお金を貸したのに、貸した途端に連絡がつかなくなった。

  4. デートのたびに彼は「いま持ち合わせがないから」と自分に支払いをさせる。

  5. もらったつもりでいたプレゼントなのに、別れを切り出したら「全部返してくれ」と言われた。

男女の関係にあると、お金を貸すことを断ったり、貸した後も「返して」とはなかなか言い出せないものです。
もちろん、「借用書を書いてよ!」と口にするのもはばかられます。

しかし、男女間の金銭トラブルを避けるためには、自衛するしかありません。
そのためにいくつか心得ておきたいことがあります。

まず、お金を貸すときには必ず借用書や念書を書いてもらうようにしましょう。
借りる側はしぶるかもしれませんが、なかなか返してくれないというときに強い味方になります。
さらに、お金を渡すときは手渡しではなく振り込みにし、お金が相手に渡ったなどの動きを証明できるようにしておきます

相手に「あれはもらったものた」と言われると、贈与(あげた)だったのか、貸したものだったのかが曖昧になります。
「貸したもの」であることを明らかにしておくために、一筆書いてもらうことは大切です。
貸した時の状況や貸した回数これまでの返済の状況も記録しておきましょう。

また、相手の身元もできるだけ把握しておくようにしましょう。
携帯電話の番号しかわからない相手になると連絡が途絶えてしまうかもしれません。
住所や勤務先、実家の連絡先などもさりげなく聞いておきましょう。

どうにも貸したお金を返してくれなければ、内容証明郵便で請求するのも一つの方法です。
内容証明郵便とは、いつ・誰が・誰宛に・そのような内容の文書を差し出したかを、郵便局が証明するものです。
差出人が作成した謄本の一通を郵便局が保存していて、相手が「そんな手紙はもらっていない」と否認できないようにするためです。

内容証明郵自体には法的な強制力はありませんが、相手にお金を返してくれるよう請求していることが公的に証明できるわけです。

デート代を返せと言われた

別れ話を切り出した時や別れてしばらくしてから、デートの時などに彼から出した食事代や遊び代を返せと言いだしたが、そもそも借りたわけではないし、返す必要はあるの?

贈与であれば返す必要はない

贈与契約は、すでに贈与されている場合は、取り消すことはできません。
ですから、デート代や食事代で奢ってもらった分については返す必要はありません。

婚約を前提にしていたら返せと言えるか?

「将来結婚すると思っていたから出したのに、結婚をしないのならお金を返せ!」

「交際が続くのが前提だったわけだから、もう付き合わないというのなら、プレゼントを返せ」という男がいるかもしれません。
これは、錯誤(さくご)があったので、金を返せという主張とも考えられます。

合理的に判断して、錯誤がなければ奢ったりしなかったといえる場合は、返せと言えます。

男女の交際は、フったり、フラれたり、別れたりするかもしれないというのは暗黙の前提です。
将来、別れることがないことを前提に奢ったと言われても、錯誤にはならないといえます。

ただし、婚約が成立していて婚約を不当に破棄したときに、婚約不履行として損害賠償請求される場合があります。
しかし、デート代であれば2人で楽しんだものですから、返せとの主張は認められないでしょう。

ですから、普通の交際であれば、プレゼントを返せとか、奢った分を返せといった要求に応じる必要はありません。

暴力や強迫による金銭トラブル

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男女間の金銭トラブルは、相手の恋愛感情につけ込み、時には結婚をほのめかせて金銭を奪っていきます。

ほとんどのケースで恋愛感情が関係しているため、恋愛感情をもたない単なる個人間での金銭トラブルとは性質が違い、男女間の金銭トラブルは事情が複雑になっています。

あなたがその当事者で、お金を返してもらいたいと考えているならば、恋愛感情と金銭トラブルを別に考えて冷静な判断が必要になります。

相手がお金だけの関係でしかなかったと気づいたときでも、感情に流されず素早い対応が要求されます。
大金を貸してしまった後や問題を先送りにしたり、放置したりしてしまうと問題が大きくなり、解決が非常に難しくなってしまうからです。

また、暴力や強迫、強要などの圧力により、自分で冷静な判断ができない精神状態の中でお金を出してしまった場合、そのほとんどは当事者からの請求では返済に応じてくることはありません。
このような場合は、男女問題相談窓口や家族や警察に相談、返還の請求には弁護士などの第三者入れるなどして、安全に対応するようにしてください。

債権回収とその手段

内容証明による督促から弁護士による代理人交渉、法的手段による支払督促、民事調停、訴訟などの方法があります。

相手の所在がわからない場合

債務者の所在(住所または住まい)がわからない場合、連絡がとれなくなってしまった場合などは、相手の所在を把握する必要があります。

男女問題相談窓口では、こうした場合に対応する証拠調査士が対応します。
迅速に所在調査をおこない、わずかな情報から相手方の所在を判明させることができます

債権の回収とは

債権は、債務者の給付を目的とする権利なので、債務者が任意の給付をしない場合、債権者は、その債権の回収を図るという問題に直面します。
債権回収には、以下のような手段があります。

交渉による回収

まず、債務者に対する履行の催促でしょう。
債務者が給付をしない場合としては、単に忘れているだけという場合もありますので、いきなり強硬な手段に訴えかけるのは穏当ではありません。

契約書がなくても、金銭消費賃借は成立するか

金銭消費賃借契約は、返済の約束と、お金の引渡しで成立し、契約書類の作成は必要ありません。

金銭消費賃借契約は契約書がなくても成立する

金銭消費賃借契約が成立するためには…。

  1. 借主がお金を返す約束をすること
  2. 貸主が借主にお金を渡すこと

1のことは当然のこととしてお分かりだと思います。
そして、2の、契約の目的物のお金が、実際に貸主から借主に渡っていなければならないという点では、少々特別な契約です。
物の売り買い(売買契約)や、建物などの貸し借り(賃貸借契約)の点では、目的の物や、建物などが、買主や、借主に渡っていなくとも契約は成立するからです。

しかし、契約書類がなくても、成立するという点では、格別他の契約と違いはありません。

つまり、1と2のことがあれば、特に書類にしていなければならないということはないのです。

借用書、契約書は、最も重要な証拠

しかし、借用書や金銭消費賃借契約書は、お金を返してもらうためには最も重要な証拠になります。

もちろん、借主が借りたことを認めているなら何の問題もないわけですが、借主が借りた覚えがないと借りたことを認めないなかで、借用書がないとなると、返済を受けるのはとても困難になります。

親しい男女間の間柄でも、借用書等がなかったために、トラブルが大きくなることもあります。

必ず、借用書等の書類を取り交わしましょう。

貸金の時効は何年か

貸金は返済日から10年で消滅時効が完成します。

まず「催告」することが必要ですが、それだけでも不十分です。

時効はいつから開始するか

民法によれば、貸金に限らず債権は10年で消滅時効にかかるのが原則です。
その10年はいつから計算するかといえば、「権利を行使することができるとき」からですから、貸金の場合には、貸したときではなく、返済日の翌日から計算します。
しかし、返済日を決めずに貸したようであれば、まず、いつから時効期間の進行が開始するか(起算日はいつか)が問題です。

返済日を定めない貸金債権の消滅時効の起算日

返済日を決めていない場合、返済を請求する、すなわち「権利を行使できる時」がまだ決まらず、そもそも時効期間は進行していないように思えます。

しかしこれはいつまで経っても時効が完成しないことになり不合理です。
こういう場合には、貸した日の翌日を起算日にして計算します。
なるべく早く余裕をもって返済を求め、応じなければ裁判手続きに着手します。

消滅時効の中断 承認と催告

たとえば、返済がないまま5年が経過した場合、まだ時効の心配はありません。
後に証拠として残るように文書で請求し、とりあえず一部でも返済してもらいましょう。
一部でも返済があれば債務を承認したことになりますから、消滅時効の進行はストップし、さらにその時から10年ということになります。

しかし、催告つまり返済を請求しただけでは、このような中断の効果はないので注意が必要です。
催告した後6か月以内に訴訟、調停、支払督促などの裁判所での手続きをとる必要があります。

もし時効完成が直前に差し迫ってきた場合には、とにかくまず支払を請求(催告)して、時効の完成を6か月間延長しておいて、その間に裁判所での手続きに着手することが大切です。
催告による延長は1回だけで、6か月ごとに催告を繰り返しても意味がありませんので注意が必要です。

時効が完成してしまったら

時効期間が経過してしまったらもう請求できないのでしょうか。
あきらめるのはまだ早いと言えます。
請求して相手からもう時効だから払わないと言われればそれまでですが、相手が債務を認め返済に応じてくれる場合もあります。

消滅時効により債権が消滅するためには単に時効期間が経過したというだけではなく、時効の利益を受ける人が、その利益を受けることを表明する(つまり、もう時効だから払わないと言う)必要があります。
これを時効の援用といいます。
ですから、とにかく返済の請求をすることが大切です。

いろいろな時効期間

貸金の消滅時効は10年と説明しましたが、消滅時効期間には、このほかにもいろいろなものがあります。

  1. 5年 商事債権
    貸金に限らず、商人間の債権債務の場合です。
    一方、だけが商人の場合も同様です。

  2. 5年 定期給付債権
    マンションの管理費など年、あるいは月ごとに支払われる債権です。

  3. 3年 医療費、建築代金など

  4. 2年 弁護士報酬、商品代金、請負代金など

  5. 1年 飲食代金、宿泊代金など

消滅時効期間を考えるときには、まずその債権がどういう性格のものかをはっきりさせることが大切です。

ないものはないと開き直られたらどうする?

貸したお金(債権)を回収しようとする場合には、借りた側(債務者)の状況を正しくみきわめる必要があります。
債務者の状況を判断するためには、その債務者の支払能力と支払意思について、別々に考える必要があります。

支払能力とは、債務者が負っている債務を履行する能力があるかということです。
債務を返済するのに無理のない程度の資力や財産が債務者に備わっている場合には、その債務者には支払能力があると考えてよいでしょう。
一方、資力や財産があるようにみえても債務の額と比較すると少ない場合や資力も財産もない場合には、債務者自身に返済する意思があっても、債務を支払うことはできないでしょう。
このような場合には、債務者が債務を返済できるような状況にするにはどうしたらよいかについて、債権者も考える必要があります。

また、ほかに抱えている債務の支払いを優先させているため、自分のほうには債務の履行がされまいという場合もあります。
そのときは、債権者のほうでも、今、支払える分だけでも支払ってもらうなど、対策を立てることが必要です。

支払能力と支払意思は常に変化する

債権回収の手立てを考える場合、相手の支払能力と支払意思を確認することが大切です。
この支払能力と支払意思がどの程度かということは、言い換えれば、信用が高いか低いか、ということになります。

支払能力があっても支払意思が欠けている場合や、支払意思はあっても支払能力がない場合は、信用が低いということです。
相手の信用が高いといえるのは、支払能力と支払意思のどちらも十分に備わっている場合です。

支払督促を利用してみる

相手方が貸したお金をなかなか返してくれないとき、裁判所に訴えて勝訴判決を獲得し、これをもとに強制執行をかけるという手があります。

しかし、いったん訴訟になれば、証拠集めをしたり法廷に出向いて証言したりなどと、時間や手間がかかり面倒なものです。
そこで相手方が返すべき借金があることを認めている場合は、面倒な手続きによらず、手っ取り早い方法で支払を強制執行させる制度があります。
それが支払督促です。

支払督促とは、債権者からの申立てを受けて、裁判所の書記官が債務者に対して、債権の支払をするように命令を出す制度です。
申立てを受けた裁判所は、証拠調べや債務者に事情を聞くなどの行為は一切行わず、債務者の申立書を形式的に審査するだけです。

支払督促は、債権者の一方的な申立てによって行うものですから、申立人の請求に異議を申し立てることができます。
もし、債務者からの異議があるならば、訴訟に移行することになっています。

支払督促はこのように特殊な制度ですから、申立てができる事項について制限があり、金銭そのほかの代替物、または有価証券の一定量の給付を目的とする請求権(たとえば手形3枚とか株を1枚など)に限られています。
実際に支払督促が利用されているのは金銭の請求がほとんどです。
しかも、支払督促は相手方に送達されることが条件になっていますから、たとえば債務者の所在が不明または国外にいて送達できないような場合には、支払督促は利用できません。
さらに、請求金額や請求原因などの争いがあって、相手方が異議を申し立てることが明らかなケースでは、支払督促を利用しても、早晩訴訟に移行することになるでしょうから、あまり効果はありません。

支払督促は簡易裁判所に申し立てる

一般の民事訴訟では、訴訟の目的の価値(訴額)が140万円を超えるときは地方裁判所140万円未満の場合は簡易裁判所が管轄になるのが原則です。
しかし支払督促では、請求金額にかかわらず、簡易裁判所が管轄します。
請求金額が数千万円と高額であっても、簡易裁判所の裁判所書記官へ申し立てます。
具体的には、支払督促の相手方(債務者)の住所地を管轄する簡易裁判所へ申し立てることが原則となっています。

支払督促の申立手数料は、訴訟手数料の半額です。
また訴訟では通常、弁護士の助力を仰ぐ必要がありますから、弁護士費用もかかります。
これに対して支払督促は、自分一人で申立てができる簡単な手続きですから、弁護士費用も必要ありません。
東京簡易裁判所の場合、支払督促を相手方に送るための送達手数料は、相手方一人について1080円です。
これに加えて、通知費用(120円)と貼用印紙代(1200円)が必要です。

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